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レザークラフト初心者でも失敗しない?プロの裁断テクニックを伝授!

レザークラフトの作業
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レザークラフトで革の裁断を軽視していませんか?

単純な作業だからと適当に済ませていたら、そのうち痛い目に遭うかもしれません。

なぜなら革の裁断は、完成品の善し悪しを左右する重要な作業だからです。

もうすでに「革はどうやって裁断すればいいんだろう?」と悩んでいるレザークラフト初心者がいるかもしれませんね。

そこで本記事では、レザークラフト初心者でも失敗しない革の裁断テクニックを、業歴23年のプロ(わたくしGen)がくわしく解説していきます。

もしかしたら「革の裁断はやり方がわからないから、、」と外注してきた人もいるかもしれませんが、これを機に自分でやってみましょう!

レザークラフト初心者でも失敗しない?革の裁断テクニック

レザークラフト初心者にありがちな失敗は、適当に裁断してしまうことです。

「革をムダなく使おう」と空いているスペースに型紙を当て込んで、適当にパーツを裁断してしまうと失敗します。

コストを優先して、革を使い切りたい気持ちはわかりますが、これではいい製品ができません。

なぜなら革は、合皮のように表面が均一ではありません。

革は部位によって表情が違うので、パーツを適当に組み合わせてしまえば、完成した製品の表面がバラバラで見栄えが悪くなります。

形が似ているという理由だけで、別のパズルのピースを組み合わせて、ムリやりパズルを完成させるようなものです。

また、悪いのは見栄えだけに留まりません。

耐久性や機能面にも悪い影響が出てしまい、製品を使い続けていくうちに、問題が発生することもあります。

つまり、革の伸びる方向やナチュラルなムラといった特長を把握し、完成品の状態も想像しながら、裁断のときには適材適所にパーツを配置するように心がける必要があるのです。

プロの裁断テクニックを伝授!ポイントは3つ

レザークラフト初心者でも失敗しないプロの裁断テクニックは、具体的に【3つ】あります。

そのポイントとは

  1. 蛍光灯で革キズを見分ける
  2. 革の繊維方向に沿って切る
  3. 革の部位を使い分ける

では、それぞれの方法を詳しく解説していきます。

蛍光灯で革キズの見分ける

まずは、裁断の環境を整えましょう。

明るさは最重要です。暗い場所での作業は怪我のもとにもなりますのでやめましょう。

照明(ライト)は電球ではなく、【蛍光灯】をオススメします。

さらに、蛍光灯は昼白色】がベストです。

自然光(太陽光)も良いですね。革キズが浮いたように目立って見えます。

そして照明(蛍光灯の昼白色)の当て方(角度)を変えながら、自分の体を上下左右に動かして革を見てください。それだけでほとんどの革キズがわかりますよ^^

さらに裁断をはじめる前に、革を裏返して透かしてみましょう。表面上は目立たない「鎌キズ(皮から肉を剥がすときにできた後天的なキズ)」もわかるので、ぜひやってみてください。

革の繊維方向に沿って切る

革の繊維方向に沿って裁断しましょう。

はじめて耳にしたかもしれませんが、革の繊維は背骨の中心から各部位に向かってのびています。

革の繊維の方向(タテ)に沿って引っ張ると伸びにくく、ヨコに向きを変えて引っ張ると伸びやすいのです。

このように本来は、革が伸びる方向や性質を考えながら、製品のパーツを組み合わせて裁断するべきなのです。

たとえば、サイフを裁断するときには、サイフ本体の折り目を伸びやすい方向にして裁断するだけで、完成品の収まりが良くなります。

「今までに折り目が歪んだサイフを見かけたことはありませんか?」

このような症状は、革の方向を無視して、斜めに配置して裁断した結果だと考えられます。

ですから、良い製品を作るためには、まず革が伸びる方向を確認してから裁断しましょう。

革の部位を使い分ける

革の部位を使い分けて裁断しましょう。

革の部位にはそれぞれ特長があります(人間の体の部位と特長もよく似ています)

牛革を例にしますが、背中からお尻にかけて(ベンズといいます)は革質が良く、厚みもあるのでメインに使われます。

さらに、繊維が締まっていて、伸びにくく耐久性に優れています。

お腹(ベリーといいます)は伸びやすく耐久性に劣ります。他に肩(ショルダーといいます)はトラ(虎のしま模様のようなシワ)やキズが多いなどの性質があります。

このように革の部位によって性質が異なりますので、製品の本体には、できる限りベンズの部位を使いたいですね。

バッグの手ひもやサイフのマチのようなパーツは、頻繁に折り曲げをするので、伸びやすい部位を使うと良いでしょう。

ちなみに、牛革以外の豚革・羊革・山羊革も同じです。背中が一番締まっていて、伸びにくく耐久性に優れていますのでメインに使われます。

わからないときには、タテ・ヨコに引っ張ってみてください。必ず違いがわかるはずですよ。

製品の本体にベンズ(背中からお尻)を使うだけで、出来栄えが変わってきますので、裁断はベンズからはじめましょう!

おまけ:絶対に失敗できないときのテクニック

たった一枚しかない希少な革だったり、エキゾチックレザー(ワニ・ヘビ・トカゲなど)のような高価な革を使うときには、絶対に失敗できないですよね。

そんなときには、革に型紙を当てながら、先に銀ペンで線引き(少し大きめに)をします。

そのあと型紙を外してから、キズ・革の方向・革の部位に間違いがないことを確認して仮裁断、そして本裁断へと作業を進めます。

これは手間がかかる方法ですが、間違いありません。

裁断のプロが実践しているテクニックなので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

革の裁断が完成品の善し悪しを左右する作業とわかれば、もう軽視できませんよね。

プロの私が、おもに製品の量産で使ってきた方法なので、再現性が高い技術です。

もちろん1点ものを作るときにも役に立ちます。

あらかじめ革キズを避けることで不良品のリスクが減りますし、革の方向や部位の特長を生かすことで製品のクオリティが上がります。

このプロの裁断テクニックを実践すると、革の裁断に悩まなくなり、作業の効率もアップするはずです。

昔から革製品の製造は、作業工程を裁断・革漉き・縫製というように分業化してきた背景がありました。

裁断は裁断屋さんの仕事だからと外注し、裁断作業を丸投げされることも当たり前でした。

しかし、個人でやるレザークラフトでは、革の裁断を外注したり、作業を分業化して他にまかせてはいけません。

革の裁断は自分の手で、失敗しないように「昼白色の蛍光灯の下」でおこないましょう!

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