レザークラフトで作品を作るときには「型紙」が必須となります。
ところで、あなたは自分で型紙を作製したことはありますか?
はじめのうちは、レザーショップなどで販売している型紙をそのまま使ったり、本に付録された製図をトレースして型紙を作ったりすることがほとんどではないでしょうか。
実際に、型紙を作製することは簡単ではないですからね^^;
また、この型紙作製の技術は、レザークラフト教室やスクールでプロに教わらない限り、独学で習得することは難しいと私は考えています。
しかし、自分が作りたいアイテムの型紙が見当たらないときには、どうしますか?
おそらくプロのサンプル師を探して外注するか、自分で何とか型紙を作るしかないでしょう。
そこで本記事では、自分で型紙を作るにあたり、あらかじめ準備しておきたいツールを紹介していきます。
レザークラフトの型紙を作製する前に揃えておきたいツール
型紙設計の技術を習得することは、一朝一夕にはいきません。
なぜなら、革の厚みと革と芯材との重なり具合を計算しながら、折る動作や畳む動作を型紙に組み入れなくてはならないからです。
複雑な立体構造になるほど、数学的な計算も必要になってきます。
一方でパスケースのように、革を重ねてポケットを付けるだけのシンプルな平面構造のものは、型紙作製のファーストステップにふさわしいアイテムといえます。
まずはパスケースの実物を見本にして、タテ・ヨコ・高さを測りながら型紙作製をはじめてみましょう。
しかし、どんなに簡単なアイテムであっても、あらかじめ揃えておきたいツールがあります。
それは以下の3つです。
- 材料
- 刃物
- 定規
では、くわしく解説していきます。
材料:型紙の紙(Paper)
基本的に、型紙の材料には【紙(Paper)】を使います。
型紙に適している紙の条件は、まず簡単に破れないこと。
そして、角や端が折れにくく、表裏が剥離しないことです。
紙にも材質や硬さ、厚みなど違いがあって、種類もさまざまです。
すぐに変形してしまう紙では、使い続けていくうちにサイズやバランスも変わり、正確な型紙が作れません。
一方で「厚みがあれば硬くて丈夫!」と思いがちですが、実は違います。
ダンボール紙を例にしますが、単に厚みがある紙では、すぐに表裏が剥離して使い物になりません。
余談ですが、昭和時代に活躍した革職人は、型紙に壁掛けのカレンダーをよく使ったそうです。
一見すると、セコいリサイクルだなと思うかもしれません。
しかし、カレンダーに使用されている紙は、薄くて丈夫なものが多いので、型紙の条件に見合っています。
なので「型紙にはカレンダーを使いましょう!」
とまでは言い切りませんが、紙は薄くても、丈夫な「破れない、変形しない」ものを選びましょう。
刃物:カッターナイフと革包丁
型紙の作製には【カッターナイフ】を、革の裁断には【革包丁】をオススメします。
レザークラフトのワークショップを主宰していると「革を裁断するだけなら、カッターナイフだけでもいいのでは?」とよく質問されます。
答えは「裁断する素材(相手)によって、刃物を使い分けましょう」です。
カッターナイフの刃は、先端から根元まで続いています。しかし実は、裁断に使う箇所は刃先(先端)のみです。
ですから、紙のように薄い素材でもキレイに切ることができて、小回りが効きます。
一方で革包丁の刃は、先端がそのまま刃となっています。なので、先端の刃幅全体を使って裁断します。
革のように厚みがある素材には、カッターナイフのような薄い刃ではキレイに切ることはできません。革の場合には、革包丁が有効的といえます。
ちなみに私は、革包丁も刃の幅が36ミリと30ミリのものを使い分けています。
ここでカッターナイフの利点を挙げると、切れ味が鈍くなったときには、簡単に刃を折るなどして新しい刃に交換できます。
一方で、革包丁は切れ味が鈍っても刃は交換できません。刃先を研がなければなりませんので、研ぎの技術も必要になります。
ですから、紙にはカッターナイフ、革には革包丁といった具合に、裁断する素材によって刃物は使い分けましょう。
定規:スチール製とプラスチック(透明)製
定規は【スチール】と【プラスチック(透明)】を使い分けましょう。
そしてスチール定規は、はじめに300ミリ(30センチ)と150ミリ(15センチ)の2種類は用意したいです。
ここでのポイントは、定規の端が目盛り0(ゼロ)からはじまっていること。
さらに、片方の目盛りが0.5ミリ刻みだと、より正確に製図ができます。
300ミリと150ミリを組み合わせると、L字型をした曲尺(かねじゃく)の使い方ができますので、四角形や角度(直角)の製図作業がはかどります。
大きいサイズのバッグを作るようになったら、600ミリ(60センチ)や1000ミリ(1メートル)の長い定規も揃えましょう。
一方でプラスチック定規は、透明で全体に目盛りが刻まれているものを用意しましょう。
なぜなら、透明で目盛りが刻まれていれば、型紙にあてたときに歪みがひと目でわかるからです。
長さは、300ミリ(30センチ)もあれば十分です。
さらに付け加えるなら、断面がスチールに覆われていれば尚良しです。刃物を沿わせても定規が削られる心配がありませんからね^^
ということで、型紙の製図に使う定規も、スチールとプラスチック(透明)を使い分けましょう。
まとめ
ここまで型紙作製の技術を学ぶ前に、あらかじめ揃えておきたいツールを紹介しました。
そのツールとは「材料、刃物、定規」の3つでした。
型紙作製はレザークラフトの作業のなかで、最も難しい工程のひとつです。
しかしマスターすれば、自分が思い描く作品を自由に作ることが可能になります。
ぜひ型紙作製にもチャレンジしてみてください。
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