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レザークラフトで失敗した実例を暴露!クレーム対処法とリメイク術も紹介

レザークラフトの思考
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「レザークラフトには失敗が付きものです!」

作業中にやらかした失敗が元で材料をムダにしてしまったり、せっかく作ったバッグがすぐに壊れて放ったらかし状態になっていたり、こんなことはよくあります。

特に、致命的なミスが発生しやすい作業工程といえば、「革の裁断」です。

具体的には、

  • 革のパーツを間違えて裁断してしまった
  • 裁断が歪んで、革が型紙よりも小さくなってしまった
  • 製品本体の目立つところに革キズを入れて裁断してしまった

こんなことはどれもありがちで、革の裁断後に気づくものですから、後戻りはできません。

しかし、このような致命的なミスを帳消しにして、廃棄処分になりかけた材料をうまく使った再生法が無いわけではありません。

本記事では、私がやらかした絶望的ともいえる、レザークラフトで失敗した実例を暴露します^^;

この実例では、失敗(クレーム)から一転、好評価につながる結果を残した「リメイク術」も紹介します

なので読み終えたら、ミスを怖がることなく

「そうか、レザークラフトは失敗しても大丈夫なんだ!」

と自信を持って、レザークラフトに取り組めるようになるでしょう。

レザークラフトで失敗した実例を暴露!

「今まで納品されてきたものと比べて、革の色とツヤが明らかに違う。このままでは販売できないから返品します!」

そう言って、100本近い本数のバッグが返品されてきました。

このときやらかした失敗(クレーム)とは、ものづくりの技術的なことではなく、革のコンデション(状態)に問題が生じていたのです。

私の本業は、革製品の製造です。

おもに、バッグ(袋物)とサイフ(小物)のOEM生産(他社ブランドの下請け)で生計を立てています。

特にこのクライアントは、5年以上も安定的に同じバッグをリピートしてくれている『神得意先』でした。

「慣れ」は本当に怖いです。

このバッグに使われていた革については、5年以上もリピートして一切クレームがなかったこと。

さらに、仕入先の革問屋にも全幅の信頼をおいていたので、革の入荷時に必ずおこなうべき検品を怠っていたのです。

完全に「ノーマーク」でした。

しかし、このまま放っておくわけにはいきません。

大量に返品されてきたバッグたちを前にして、さまざまな対処法に考えを巡らせました。

レザークラフトで失敗したときのクレーム対処法【3選】

ここからは、失敗したときのクレーム対処法を紹介します。

どれも実践的な方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。

その1:クレーム箇所を改善

今回、私の失敗例(クレーム)では、革の色とツヤの違いが指摘されていました。

なので、革の色とツヤを改善すれば、再納品できる可能性もあります。

まずは、革の生産者(タンナー)に補修の可否を尋ねました。

しかし回答は、「特殊な加工の革なのでフィニッシュ(仕上がり)後の補修はできない」でした。

仮に補修できたとしても、バッグを分解せずに革全体を補修することは至難の業です。

さらに、バッグを一旦分解し、平面にした革を補修して組み立て直すことなど、作業の手間(コスト)と再現性を考えると現実的ではありません。

なのでこの対処法は、残念ながら当てはまりませんでした。

※革の加工によっては、フィニッシュ後の補修ができるものもありますので、このような問題に直面したときにはタンナー(革の生産者)に相談してみましょう。

その2:値引き交渉

正規の価格ではなく値引きを交渉して、再納品する方法です。

しかし私のケースでは、商品のクオリティを最重要視してきたクライアントなので、値引きは無用でした。

不良品を値引きして再納品して販売することなど、交渉のテーブルにすら乗りませんでした。

本物のブランドとはそういうものですよね。

かえってここまで一切クレームもなく、ハイクオリティなブランドの仕事を続けてこられたことが、何よりも職人としての誇りであると、ここで前向きに頭を切り替えました。

※不良の度合いにもよりますが、B級品や訳あり品として、アウトレットセール用に引き取るクライアントも多いです。

その3:そのまま転売

私のケースでは、委託者(クライアント)が持ち込んだオリジナルデザインであり、商標ブランド品の生産を受託していますので、委託者の許可なく転売はできません。

OEMとは、他社ブランドの下請け生産のことですので、その対象商品を受託者(私)がそのまま転売することは、むしろ暴挙です。

基本的には、双方が交わしたOEMの契約内容に準ずることになります。

もっともはじめから、転売の選択肢は頭にありませんでした。

ビジネスの道理やクライアントと構築してきた信頼関係を考えると当たり前の話ですよね。

※私のようなOEMではなく、受託者が製品の開発から生産までをおこなって、委託者には販売をまかせる「ODM」といった取引形態もあります。ぜひ今後の取り引きの参考にしてください。

レザークラフトの失敗を好転させたリメイク術を紹介

すでに返品されたバッグを再納品する道は絶たれてしまいました。

「今回の損失額は一体いくらになるんだろう?」

再利用できる金具や副資材の解体作業をやっていたところ、

「あれ?もしかして革も再利用できる?」

このクライアントにはバッグの不良品でも、他では革の不良品ではない。

ここでやっと革を再利用したリメイクを考えはじめました。

返品の理由が革の色とツヤの違いだったので、この革は使えないと偏った考え方をしていたのです。ですから、革の再利用のことは、すっかり頭から飛んでいました。

幸いにもこのバッグに使われている革は、クライアントのオリジナル仕様ではなかったので、革の再利用は問題にはなりません。

急いでブランドのロゴを切り取りながら解体して、リメイクアイテムを考えはじめましたが、何しろ時間がありません。

なるべく手間をかけずにみんなが喜ぶものにリメイクしたい。

時期は、年末の12月でした。

毎朝、近所のコンビニでは、ホットコーヒーを片手に持って店から出てくるお客さんが多く、そのホットコーヒーはとても熱そう(温かそう)にみえました。

そこで、コンビニコーヒーの持ち歩きに、お洒落で便利なコーヒースリーブ」を思いつきました。

コーヒースリーブとは、紙コップに巻いて、ヤケド防止にも役立つアイテムです。

一般的には、紙や合皮でできたものが主流ですが、本革製のコーヒースリーブは、繰り返し使えるのでエコです。

結果、この本革製のコーヒースリーブは「大好評」でした。クリスマスの需要も相まって、たくさんのエンドユーザーが手に取りました。

まとめ

もう一度言いますが、「レザークラフトには失敗が付きものです!」

私もはじめは失敗したことでネガティブ思考に陥りました。

しかし、これでは良い対処法も浮かびません。

今になって冷静に考えてみれば、バッグをリメイクすることなんてすぐに思いつきそうなものです。

危うくすべての革を廃棄処分してしまうところでした^^;

今回のような絶望的ともいえる失敗でも、冷静になって思考を切り替えたときに、リメイクする発想が生まれて、ピンチを切り抜けることができました。

「レザークラフトは失敗しても大丈夫!プロでも失敗するし、取り返すこともできますよ!」

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